BLの歩き方~その世界観と専門用語集~

BLの世界観とは

「BL」とは、Boys Love(ボーイズラブ)の略で、男性同士の恋愛を示します。

でも、男同士の恋愛には性別の壁があって、どんなに好きでも男である自分が同性に気持ちを伝えて良いのか悩み、苦しむ切なさがあります。

たとえ両思いになったとしても、男同士で愛を貫くことは大変です。

最近でこそ、ダイバーシティやLGBTへの理解という風潮が広がり始めましたが、異性とくっつくべきじゃないかという固定概念があり、まだまだ一般的には男同士の恋愛に対しては奇異な目で見られるという風潮が残っているからです。

 

「受け」には、本来女性を抱く側である自分が、男に抱かれるという屈辱や劣等感があります。
一方「攻め」には、オトコは女性を抱くべき、という理性があります。

それでも、男であるその人に抱かれたい、その人を抱きたいと思うくらいの愛があります。

たくさん悩んで傷ついて、障害を乗り越えて、結ばれるというのがBLの魅力です!

これはもう究極の愛です。
尊いです!

作品の楽しみ方

男同士なので、どちらにも男性器と「穴」があるため、どっちがどっちになることも出来ます。

生物学的に言えば対等なのです。

 

BL作品を読み始めると、まず「上司と部下」だったり、「幼馴染」だったり「ライバル」だったりと、関係性が描かれています。

ほとんどの腐女子は攻めor受けを直感で判断するかと思いますが、昨今は属性のバリエーションが豊富過ぎて、ビジュアルだけで判断すると外れることも少なくありません。

ガチムチ受け、美人攻め、敬語攻め、わんこ攻めなどなど。

自分がどんな属性のキャラクターが好きなのか探すのも、BLの楽しみ方のひとつです。

 

男同士で、本来対等であるはずの二人は、体格差や、精神的な優位性や、その関係性によってどちらかが抱く側になり、抱かれる側になります。

その過程に、腐女子は萌えるのです。

 

BLとひとくちに言っても、設定や内容はさまざまなので、この限りではありません!

同性に恋をしてしまう心の葛藤を描いたものもあれば、すでに出来上がっているカップルの紆余曲折を描いたものもあります。

心理描写に長けた純愛ものから、セックスシーンのオンパレードというAV系なものまで、千差万別です。

 

主なプレイパターン(セックスの内容)

さあ、いよいよお待ちかねのセックスシーンのお話です。

男同士の場合、男性器のシコリ合いで終わることも少なくありません。

でも、パートナーが存在する彼らはお尻の穴を使ってセックスをすることになります。

ちょっと現実的で生々しい話をすれば、まず浣腸でうんこをした後、シャワーで直腸内まで洗い流して綺麗にします。

殆どの作品は、こういう生々しい過程はすっ飛ばしているので、「BLはファンタジー」と言われる所以です。

そのあと、ローションやジェルなどを使って肛門括約筋を解しながら穴を拡げ、最終的に男性器を突っ込みます。

男女間のセックスと比べると、避妊の必要はないものの、準備までがめっちゃ面倒くさそうですよね。
愛がなければ到底無理でしょう。

 

レビューで使用する専門用語解説

攻め・タチ:突っ込む側

受け・ネコ:突っ込まれる側

ゲイ:男性が恋愛対象。女性は恋愛対象外。

ノンケ・ストレート:女性が恋愛対象。男性とは未経験の、いわゆる“ノーマルの男性”。

バイ:男女共に恋愛対象。

わんこ攻め:受けに対して飼い犬のような人懐っこく元気で従順であるキャラが攻め手に回るシチュエーション。

ところてん:男性器を触られることなく、お尻の中を刺激されるだけで射精すること。

ドライオーガズム・空イキ:お尻の中を刺激されることで、射精せずにイくこと。

ケツイキ、メスイキ:お尻の中を刺激されることで、射精せずにイくこと。尾を引く快感で、女性のオーガズムに近い。

潮吹き:尿でも精液でもない液体を男性器から噴き出すこと。射精直後に男性器を刺激されたり、お尻の中を刺激されることで起こる現象。

ガチムチ:がっちりむっちりの略。筋肉質で男らしい体格であるオトコのこと。

人外:人ではないもの。吸血鬼や神様、悪魔から淫魔まで多種多様。基本的には人間と同じ見目をしていることが多い。

獣人:人外の一部。狼や猫などの身体的特徴・本能を持つ人。

 

オメガバースについて

BL界では、「オメガバース」という男性の妊娠を可能にする特殊設定が人気を集めています。

男女の性とは別に、α(アルファ)、β(ベータ)、Ω(オメガ )という三つの性が存在する世界です。

α = 容姿に優れ、知能も高いエリート階級。Ωのフェロモンによって酷く発情する。

β = 凡人。β同士で結婚するのが一般的。Ωのフェロモンを感じることは出来る。

Ω = 男でも妊娠可能。定期的にヒート(発情期)が訪れ、フェロモンを放ち続ける。
ヒート期間はセックスのことしか考えられなくなるため、“ヒート抑制剤”を服用する。

*番(つがい)
αが、ヒート中のΩのうなじを噛むことで成立する関係。
番のいるΩのフェロモンは、番のαにしか効かなくなる。
恋愛や結婚よりも強い一生続く関係だが、αから一方的に解消することが可能。
番を解消されたΩは、二度と番を作れないまま、誰のことも誘惑できないフェロモンを放つことになり、一人苦しんで生きていくことになる。

*巣作り
Ωは、番のαの匂いがするものを無意識に集める習性がある。
ヒートが近くなると巣作りをして、αの匂いに包まれながらαに抱かれることで、Ωは幸せを感じる。

大まかな設定はこんなところです。

「α=エリート、Ω=発情期があるために定期的に仕事を休まねばならず、社会的地位のある仕事に就けない」という階級社会であり、個人の努力ではどうにもならない部分があります。

Ωが子どもを産むためだけの存在であるかのように描かれることも少なくなく、性差別的な側面があるので、好き嫌いが分かれるジャンルかもしれません。

ですが、上記設定に加えて独自解釈を加えている作品も多数あり、多様に広がり続けています。

まきにゃんイチ推しの作家さんとその寸評

南月ゆうさん

綺麗な絵柄で、攻め受けともに男らしい体格であることがほとんどです。
男性を好きになってしまったことへの葛藤から、気持ちを伝えるまでの過程をみずみずしく表現します。

好きな人のためを思って、別れる事も選択肢にいれるという自己犠牲を厭わない愛があります。
大袈裟な事件なく、ひたすら丁寧な心理描写で読者を惹き込んでいく、切なくも心あたたまるストーリーが特徴的です。

 

みちのくアタミさん

受けの感じた表情がトロトロに蕩けていてエロいです。
身体から始まり、受けは圧倒的な快楽に夢中になって、恋愛感情は徐々に肉付けされていく…というようなストーリーが多いです。

セックスありきの漫画にありがちな、薄っぺらさは感じさせません。
連載作品をコミックス化するにあたって、過去の作品を書き直すというプロ意識の高さ、作品へのこだわり、そしてベースにある画力の高さが特徴です。

 

エンゾウさん

画力・ストーリー性ともに秀でています。
BLCD化されている作品が多数存在する人気作家です。

受けの感じる表情がトロトロを通り越して、アヘっている時もあります。
下品なほど濃厚なエロがありながら、男同士が惹かれ合う過程をコミカルに楽しく描かれます。
心理描写やストーリー展開のバリエーションが豊富で、作品それぞれに色があります。

 

碗島子さん

どこか丸みがあって幼い、“少年”の魅力を描くのが上手な方です。
切なさやシリアスな展開はほぼありません。ギャグテイストで、「男ってバカだなあ!」と思いながら楽しく読める漫画です。
上段で「…生々しい過程はすっ飛ばしている」と書きましたが、浣腸などのリアルな部分を描かれる希有な存在です。